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練習していて、不意に気になった。
速度は出ているし、慣れてきたのもある。
自分の車を持っていいのかと。
「もちろんですよ! むしろそのための教習として渡してますし!」
「なるほど……」
「良ければこれもらいます? 貰い手がないのでずっと保管されてますし」
「見てみてからだな」
ということで終わった後見に行くことに。
それはもう言葉を失うほどのピカピカで、すごい車が居座っていた。
念の為走行は可能と言われた。
「か……カストロールトムススープラ!?」
「その通りです! 主探ししてます!」
「これもらって良い?」
「良いですよ!」
ということで思わぬ拾い物をしてしまった。
翌日からどういう動きをするかとかチェックしつつ、どう走るかのコース取りとかをチェック。
その日から俺は変わったかもしれない。
生き生きしているとpodから言われているし。
と、そういえば山に生体反応があると言われ、練習走行を終えてから行くことにした。
流石に車は置いていく。
連れていけない山なので。
熱気もあるし、こんなところに人がいるのだろうか。
と、誰かが居る気がした。
気配がする。
隠れてみてみる。
男性だろうか、騎士っぽい男が立っていた。
思わず見とれてしまった。
だって、お兄さんというか、結構若そうに見えるし。
美しく見えた。
「この人……」
「知ってるのか? レン」
「知ってるもなにも、有名な人だよ。こんなところにいるってのが珍しいけど」
「……」
手には変わった槍を持っているし、迷ったんだろうと思っていたら、その人が気配に気がついたようだ。
「誰だ!?」
「わ、私は怪しいものではないよ……! 君はどこから来たんだい?」
現れるレンといっしょに、俺も現れてみた。
「それが……眩しい光のあとここに居たんだ。だからここで隠れていたんだが……」
「そうなんだね。だったら、こっちで過ごしてみないかい?」
「しかし……いいのか?」
「もちろんだよ。私はレン、隣にいるのがムウニテルだよ」
「なるほど……。敵ではないのだな?」
「もちろん」
「俺はローウェン。ローウェン・ドラグスピアだ。宜しくな」
「強そうだね。さあ、おいで」
ということで迷い込んでいた人物を城に招き入れる。
「しかしどうするかな……。俺等の護衛になってもらうか」
「そうだね」
「とはいえ、本人がいいかどうか」
ローウェンは視線を向けて頷いた。
良いみたいだ。
とりあえず俺は今日は休む事にした。